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以前にも記事にてお話させていただいたと思うのですが
やまぐちさんとの絵茶から話(妄想?w)が膨らみ、
Mッ気のある騎士とSッ気のある双子の姫たちが誕生しました^^

銀の髪をした双子姫を描きたい!…描いちゃった! 
ちゃっかりあとねさんのオリジナル板に投下までしちゃったよ、と
なったら、やまぐちさんが
【双子姫が爆裂火炎鳥を手に入れる話】を創作、
ご自身のブログにて公開してくださいました^^

ぐちさんから許可をいただきましたので
そのストーリーをこちらで一挙公開させていただきます^^b


登場キャラクタは

■ ムハナド・シャンティ (騎士)

■ シェラザード & シルヴィエ  (双子の姫)

■ アズラク (城のお抱え庭師)

■ サフラ・シャンティ  (ムハナドの父、『炎の鳥の一族』の長)

■ リプカ (爆裂火炎鳥)


それぞれのキャラクタの誕生秘話(?笑)については
ぐちさんのお宅でご覧になれますので今回のストーリーと
併せてそちらも要チェックb

主要キャラクタは絵師3人が担当してイメージを描きおこしております^^

■ ムハナド・シャンティ … やまぐちさん

■ シェラザード & シルヴィエ … ne

■ アズラク … モリエールさん

■ リプカ … 砂漠ヒヨコ&熱砂鳥&爆裂火炎鳥ver は、やまぐちさん
        爆裂火炎鳥verのみ は、neが担当

イラストもお借りしてまいりましたので
ストーリーと併せてお楽しみくださいませ^^

長いので折りたたみます。
『砂漠の国の物語』は『つづき』からどうぞv


 


■双子姫が爆裂火炎鳥を手に入れる話

【砂漠のどこかにあるという小さな小さな砂の国
 銀の髪した双子姫今日も元気に神出鬼没】

01cd4d24.jpeg















※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【1】


無難にこの休日を乗り切れますように。

昇ってくるお日さまに、ムハナドはそう願った。

次の瞬間、そのささやかな祈りは打ち砕かれた。

「ムハナド~!
私達、砂漠ヒヨコが欲しいのー!」

見事に揃った少女の美声。

声だけを聞くならば、それは何と清々しく愛らしい願いであろうか。

「これからですか?」

「ううん。
もっとお日さまが高く昇ってからでいいのよ」

まっすぐな銀髪を、さらりとかきあげる大人びた仕草からすると、こちらがシェラザード姫。

「砂漠ヒヨコは、砂が熱々の時が一番元気だっていうもの」

無邪気に小首を傾げるのがシルヴィエ姫。

少し癖のある髪の毛が肩で躍る。

「嫌です。
砂漠ヒヨコは繊細でしてね。
軍靴や鎧の音でもしようものなら、姿を現してくれません。
俺たちでも夜中に下着姿でコッソリ掘り出すんですよ。
真昼の砂漠がどんな暑さになるかご存知でしょう」

ムハナドは、とりあえず断ってやった。

王族に対してこの態度は、あまりに野性的である

昔なら死罪は免れない。

「じゃあ頼んだわよ、裸足でね」

「お茶の時間にはヒヨコを持って戻ってきてね」

(全く聞いちゃいねぇ)


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【2】

ムハナドは、素敵に灼けた砂を踏みしめて歩いた。

よくある可愛いおねだりだ。

多少命の危険を感じるのはいつものこと。
「この辺りか・・・ああ、間違いない」

砂漠ヒヨコは、ありえない場所に居る動物だ。

何故熱砂の中を好むのか、わかる者は居ない。

風の音に混じって、ごくかすかにヒヨコの鳴き声が聞こえた。

ムハナドは、靴と上着を脱ぎ捨てた。

熱いのを通り越して痛いほどだが、不快ではない。

「良い子にしてろよ」

ムハナドは音を立てずに砂を掘り返していった。

砂漠ヒヨコは神経質だ。

人間の気配や匂いを察すると、すぐに逃げてしまう。

砂漠の動物が好む香木で作った道具を使い、慎重に砂を掻き分けた。

「よし」

ムハナドの手には、小さなヒヨコが握られていた。

砂漠ヒヨコは、鳥の雛の中では大きく気性が荒い。

簡単に飼えるものではない。

このヒヨコは、かなり小さい方だし、おとなしかった。

「ちょうど良かったな。
こいつなら姫様たちを怪我させることもないだろう」

ムハナドはヒヨコを持って王宮へ戻った。

何とかお茶の時間には間に合うだろう。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【3】

城の衛兵たちは、今日は双子姫のわがままに付き合わされずに済んだらしい。

身代わりになった形のムハナドを、笑って迎え入れてくれた。

双子姫の部屋にたどり着くまでには、大して時間はかからなかった。

軽くドアを叩こうとしたその時。

ドゴン。

勢い良く開けられたドアに、ムハナドの高くはない鼻はしこたま打ちつけられていた。

「ムハナド!
ヒヨコは?」

待ち構えていたとしか思えない。

鳥かごを抱えた双子姫のくすくす笑いは、さらに高くなった。

「ああ、砂漠ヒヨコは鳥かごじゃ飼えませんよ。
すぐに大きくなる。
毎日砂浴びをさせてやって下さい。
餌は食事の残り物でも何でも良い。
ああ、生きた肉は駄目ですよ、凶暴になりすぎる」

人の味は覚えさせるな、とはさすがに言わないほうが良いだろう。

「それじゃ」

長居はしない方が身の為。

これまでに嫌というほど思い知らされているので、ムハナドはさっさと踵を返した。

ぐっ。

引き戻される感覚に振り向くと、シルビィエ姫がにっこり笑ってマントの裾を握り締めていた。

「何かわからないことでも?」

「この子を爆裂火炎鳥に育てたいの!
ムハナドならできるでしょう?」


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【4】

ムハナドは『炎の鳥の一族』に生まれた。

砂漠ヒヨコを熱砂鳥になるまで育てるのは、彼らの主な仕事であった。

熱砂鳥は、砂漠では乗用、運搬用に広く使われる。

炎の鳥の一族は、長い間、砂漠ヒヨコを探してのんびりと移動する生活を送ってきた。

炎の鳥の一族の長は、ムハナドの父親であるシャンティ・サフラ。

東西南北を大国に囲まれた砂の国が、これまで生き残ってこられたのは彼の手腕によるところが大きかった。

シャンティは、長い経験から砂漠の気象と地形を熟知していた。

それだけでなく、バラバラだった砂漠の民を纏め上げる根気強さを持っていた。

この20年近く、シャンティは息子のムハナドと共に、友人である砂の国の国王を助け、大国の軍隊を退けてきた。

彼らの働きを支えるのが、熱砂鳥をさらに改良した爆裂火炎鳥だ。

爆裂火炎鳥になれるものは、1000羽の砂漠ヒヨコの中でようやく1羽。

体力も瞬発力も桁外れ、高速で飛ぶこともできる。

爆裂火炎鳥は、戦の中でこそ、その真価を発揮できる鳥といえた。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【5】

「シルヴィエ姫、爆裂火炎鳥ってのは、誰にでも扱えるもんじゃありません。
戦に特化した鳥ですからね。
熱砂鳥でも充分、姫様二人を乗せて走れますよ」

ムハナドの言葉に、シルヴィエ姫は口を尖らせた。

「飛ばねぇ鳥はただの鳥だ」

何故か冷めた声で呟いたのはシェラザード姫。

「どこでそんな言葉覚えてくるんですか。
いや、冗談抜きで危ないんですよ、奴らは。
嘴は槍より尖っていて、爪は鎌より鋭い。
そもそも、どのヒヨコでも爆裂火炎鳥になれるわけじゃないんです。
砂漠ヒヨコの中でも、特に大きくて気性の激しいものを選んで、つきっきりで育てても、なかなか爆裂火炎鳥になってくれません。
こいつは、小さくておとなしいから、それだけでも無理なんですよ」

「炎の鳥の一族の若長は、優秀な爆裂火炎鳥を育てることで知られていますわね。
不可能を可能にしてきたと。
私達のために、気性が穏やかで扱いの易しい爆裂火炎鳥を育てることはできませんか?」

ムハナドは、心の中で盛大に舌打ちした。

シェラザード姫は策士だ。

彼らが部族の名前を出されると弱いことを知っているのだ。

「必ずと約束することはできません。
でも、努力はしてみましょう」

ムハナドは、またやってしまったと項垂れた。

双子姫が手を叩いて歓声を上げる。

こうやって、いつも無茶指令を呑む羽目になるのだ。

「ムハナド、来て!
こっちがヒヨコのお部屋なの!」

シルヴィエ姫は問答無用。

ずるずると引きずられるようについていくと、見慣れない小屋があった。

「これ、どうしたんです」

「庭師のアズラクに頼んで作ってもらったの」

シルヴィエ姫のこの行動力、シェラザード姫の知力。

二つを合わせると、無敵と言われている。

(アズラク、ちゃんと自分の仕事しろよ。
俺もな)

ムハナドは独り言を言った。

勿論心の中で。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【6】

小屋に入ると、意外に奥行きがある。

間違いなくムハナドの宿舎よりは広い。

「充分すぎるぐらいです。
しばらくはここで寝泊まりして世話をしましょう。
3ヶ月経っても変化がなければ…諦めて下さいね」

双子姫は微笑んだ。

諦めるということを知らない表情で。

「どういう風に育てるの?」

シルヴィエ姫が興味深々な様子で尋ねた。

「特に栄養のある餌を食べさせて、好きなだけ砂に潜らせます。
あとは日の光と月の光を決まった時間に浴びさせてやる。
熱砂鳥に成長したら、毎日砂漠を走らせて鍛えます」

「それだけ?」

「それだけなんです。
地味な仕事ですよ」

「もっとこう、夜な夜な儀式をしたり、特別な魔法薬を飲ませたり…」

「しません。
寝起きをともにするだけです。
ああ、それも結構命懸けなんですよ、こいつら見かけより凶暴ですから。
朝起きたら、うっかり身体のパーツが1つ2つ足りないなんてことはよくありますからね」

双子姫は、ムハナドの隻眼をじぃっと見た。

これ以上何かを問われる前に、ムハナドはさっさと双子姫から視線を外した。

「楽しみにしてて下さい。
ちゃんと育ててみせますよ」


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【7】

とは言ったものの、勝算は全くなかった。

掘り出したヒヨコは、何ともマイペースであった。

砂浴びより水浴びを好み、用意した餌そっちのけで辺りの雑草を啄んだ。

散歩より昼寝をしている時間の方が長いくらいだ。

(いざとなったら家に帰って、育った爆裂火炎鳥連れて来るか)

ムハナドがそんなことを思うほど、手応えは皆無であった。

邪道な考えを読んでいるのかどうか。

双子姫は入れ替わり立ち替わり、毎日ヒヨコ小屋を覗きに来た。

すぐに飽きるに違いないと、呑気に構えていたムハナドは焦った。

双子姫が部屋に戻ったかと思うと、庭師のアズラクが、ニヤニヤしながらやって来る。

「アズラク、お前そんなにサボってばかりいると王様に追ん出されるぞ」

飄々としたアズラク青年は、口笛を吹きながら砂の上に腰を下ろした。

「その王様からの命令さ。
ムハナドが何やら新しいすんごい爆裂火炎鳥を育てているらしい。
その様子を報告するように、とね」

ムハナドは、姫様たちには聞かせられない罵倒用語を吐き捨てた。

逃げ道はとうに塞がれていたのだ。

ムハナドはその晩、自分の首にかけられた縄が、じりじりと絞まる夢を見た。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【8】

約束の3ヶ月は、瞬く間に近づいてきた。

ムハナドは、とうに覚悟を決めていた。

例のヒヨコは、順調に熱砂鳥となっていた。

黄色い愛嬌のある姿は、それはそれで悪くない。

小柄ながら、従順で軽やかに砂漠を疾駆し、見かけより力も強い。

「よう、今日もご機嫌だな。
良い月が出てる。
おいで」

ムハナドの言葉を理解しているのか、熱砂鳥はとことこと歩いてきた。

「良い子だ」

ムハナドは、羽を丹念に繕ってやる。

「え?」

熱砂鳥に思いがけない変化が現れた。

黄色い羽が月明かりを弾いて銀色に光った。

(おいおい、嘘だろう)

ムハナドは、開いている右目を凝らした。

間違いない。

何度経験しても身体が震えるような瞬間だ。

熱砂鳥の身体は、夜空に溶けるような漆黒に。

黄色いトサカと嘴は、燃え立つ炎の色に。

神秘の余韻を楽しもうとしたムハナドの耳に、割れんばかりの拍手と甲高い歓声が飛び込んできた。

「姫様?
こんな夜更けにどうして」

「俺が慌てて呼んで来たの。
こんな場面、見られなかったら姫様たち拗ねるよ?」

調子の良い庭師がひょっこりと顔を出した。

いつから張り付いていたのだろう。

何となく言いたいことはあるが、今は彼に感謝するしかない。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【9】

「俺が何年もやってきたことは何だったんだろうな」

ムハナドは自分に問いかけた。
ムハナドの複雑な思いをよそに、双子姫が心から嬉しそうにはしゃぐ声が聞こえた。

爆裂火炎鳥は、機嫌よく2人を乗せて走り回っている。

朝日を浴びた瞳が、いきいきと虹色に輝いている。

ムハナドは思う。

爆裂火炎鳥を戦に使うのは、人間の勝手なのだろう。

自分たちの都合で、好戦的な鳥だと思いたがっていただけなのかもしれない。
結局、爆裂火炎鳥になれるのはAそうなりたい鳥だけなのかもしれない。

そう思うと、少しだけ気が楽になった。
「ムハナド~!
この子どうやったら飛ぶの~?」

「やめて下さい。
それを教えたら、俺は王様に絞められます」

そう、爆裂火炎鳥は飛べる。

とんでもない速度が出るが、実のところ、制御は得手ではない。

敵に突っ込む。

勢い余って味方にも突っ込む。

挙げ句の果てに、城壁を木っ端みじんに破壊する。

飛行する爆裂火炎鳥は、敵からも味方からも評判が悪かった。

ついでに言うと、ムハナドは、高いところが嫌いであった。

それは、決して双子姫に知られてはならぬこと。

「ねぇってば~」

双子姫の声がどんどん近づいてくる。

ムハナドは何も考えず、全力で駆け出した。

【完】

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 


ストーリーテラーはやまぐちさん。
ぐちさん、ありがとうございました!^^
そしてステキなイラストを描いてくださったモリエールさん、ぐちさんに感謝!^^b
無題
投稿者: モリエール 2012/07/18 23:35 EDIT
ねふぁさん、こんばんは~
絵のまとめ上手いですね^^
わかりやすくて、貰って帰りたくなりましたv
それにつけても、アズラクの留め金、そこちゃんと描けばよかったと後悔するほどにヘロヘロですね@@; ちゃんと描いたつもりでしたが、ハエがブンブンしてるだけみたいですねー(笑)すいません@@
モリエールさん^^
2012/07/19 09:44
こんにちは、いらっしゃいませ^^
主要キャラクタのメインとなる部分だけを切り取って
大きな一枚に貼り付けただけですよーb
お持ち帰り、もちろんOKですv
そして気になる、というアズラクは
もちろん改めてリキ入れてバッチリ描き直してくださっても
よろしいのよ?ニヤニヤ(೨♛‿♛೨)
六郎氏は何を着ても似合いますねー。
羨ましい><b
今度絵茶でご一緒できたときには是非六郎氏の
新たなる一面を見せていただきたいものです^^b
おいでくださってありがとうございました!v
無題
投稿者: やまぐち 2012/07/19 09:55 EDIT
おはようございます!

モリエールさんの言うように、紹介が上手!
わかりやすい登場人物のまとめに感謝です。
うちは、ものすごく散らかってしまってるので、必要な情報、本人でさえなかなか探せません(笑

その・・いい加減な進化途中の鳥、ねふぁさんのリプカちゃんと並ぶとトホホ感倍増ですね(爆

次の無茶指令が来るのを楽しみにしています(←)
ありがとうございます!
ぐちさん^^
2012/07/19 21:36
こんばんは、いらっしゃいませ^^

ぐちさんが書いてくださってステキ・ストーリーは
ぜひ紹介したい!という欲求にかられ、
失礼を承知で『すかさず奪取!ダッシュで奪取!!』とばかりに
いただいてしまいました^^; 許可をありがとうございましたb

ポケモンのような進化の度合いは拝見してて面白いですー^^
個体差はあれど、通常こんな感じで進化していくんだよ、の
いい目安になります^^b
砂漠ヒヨコはぎんの字さんが素敵バナーに仕上げて下さいましたし、
まだどなたも描かれていない熱砂鳥は自由度の高い今が
描くチャンスかもしれませんよ?(ΦωΦ)b
リプカは可愛らしい感じに育ちましたが
戦の中であちこちに激突(笑)しまくる、たくましい爆裂火炎鳥を
描くのも楽しそうな気がしますv
描きようによっては、かなーり渋い画になりそうな予感…v
誰かチャレンジしないかなー。ちらっちらっちらっ。

絵茶でお会いしたのが6月の中旬でしたので
それからおよそ1ヶ月間、ずっとずっと楽しませていただきました^^
絵茶から生まれたキャラがこんなにも広がっていくなんて驚きですv
スピンオフストーリー、うっきうき☆しながら
お待ちしておりますゆえ、ぐちさんの筆が絶好調!なうちに
よろしくお願いしますよ?^^

おいでくださってありがとうございました。
          
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